研究は楽しいですか?

研究は楽しい。これに尽きるが、とりあえずは今の研究内容が自分に合っているのが大きいのだと思う。

 

研究は有機金属触媒反応のことをやってる。日本の化学会のお家芸でもあるくらいなので、大きな分野なのですが、そんなことかけらも知らずにこの分野に突っ込んでいったのはさすが自分。なかなか持ってる。

 さて有機金属触媒ってなんぞや、ですが、名前の通り有機化合物と遷移金属の錯体の触媒。大事なのはこの「有機」の部分をデザインできて、ここで触媒の良し悪しを変えていけるんです。要は分子を設計して触媒の機能を強化していくことができる。その設計というのは例えば分子の一部分を入れ替えたり、基本骨格丸ごとを変えたり、といったことをやれて、実際には分子の合成をして機能テストまでをやっていく。化学的に可能な限りは好きな構造を作って試せるから、自分オリジナルな触媒にしていけて、それがうまく行けば万々歳。誰もやったことない、自分だから見つけられた(ような)研究、反応になっていくのが何より楽しい。

 ここからは最近の話。卒論までは空想でデザインして合成、試行して結果をみる、これで当たりを探していた。これで運良く当たったからいいものの、ここまでで改良の策が無くなっていた。なにしろ、なんで当たったのか原因が分からなかったから策も無かったのだけど…。それなら見てみればいい。計算によるシュミレーションで分子の動きとかを見れるソフトがあるんですね。これの使い方を練習して、ここ数週間でやっと様子が見えてきた。次の一手も見当がついた。計算で見つけた良い分子を今度は実際に合成、試験する。様々なアプローチで分子の設計を行っていき、改良をしていく。良くなるかもというワクワク。(そして悪くなっていて落胆、までがワンサイクル)

 当初の形からはだんだん変わっていき、一周回って最近は最初に戻ってきています。少し違うけど。面白いものですね。さてさて、最後には満足のいくところまでたどり着けるのでしょうか。あまり気負わず、今は設計を楽しみ、計算で遊び、ついでに研究もすすんだらな〜くらいで、のんびりチャクジツにやっております。

 やれば結果が出るし、思いついたアイディアは何かしらの結果を生むから、そこにのめり込むだけ前進するので楽しいですね。家で無駄な時間過ごすより断然有意義。そんなわけで研究室にいる時間は長いですが、えぐってるわけでもなく、やりたいことにのめり込んでいる状態が近いのかと思います。だから帰りたいときはさっさと帰ります。義務はないので。ほんとにいい状態だ。

 

結論、今の研究楽しい。